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2025年1月

2025年1月30日 (木)

特別展「古代DNA 日本人のきた道」@国立科学博物館 3月15日から開催

特別展「古代DNA 日本人のきた道」(国立科学博物館)は、人類学の篠田謙一(国立科学博物館館長)と考古学の藤尾慎一郎(国立歴史民俗博物館名誉教授)の二人のタッグによる監修のもとで、古代ゲノム解析からわかってきた古代人(日本人)が歩んできた道のりと、集団の歴史が語る未来へのメッセージを伝える。

「最初の日本人」の実態は、化石証拠がないことから謎に包まれていたが、近年、沖縄県石垣島の遺跡から、4万年前の時代の人骨が続々を発見されて、ゲノム解析によってこれらの人骨の研究が進んだ。

人骨に残されたDNA解析から、山間部や海岸部、そして平野で多様な生活をしてきた縄文人がどのような人々だったのがわかってきた。

水田耕作が始まった弥生時代は、縄文人とは見た目のほかに、DNAや考え方が異なる、青銅や石の武器を持つ朝鮮半島青銅器文化の登場によって幕を開けた。1000年あまりで縄文人のDNAと入れ替わった弥生人のDNAの物語も展開される。朝鮮半島からの渡来人の交流を明らかにする重要な資料も展示される。

他に、古墳時代のヤマト政権が誕生する国家形成期の日本を探り、琉球列島集団の形成史、縄文人が北の大地の人々であるアイヌになるまでの文化的変遷を辿る。

展示途中のトピックとして、イヌのきた道とイエネコの歴史が取り挙げられる。

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左から
藤尾慎一郎さん(国立歴史民俗博物館名誉教授)、本展公式サポーターの井上味楽さん、篠田謙一さん(国立科学博物館館長)

特別展「古代DNA 日本人のきた道」
2025年3月15日(土)から6月15日(日)まで
国立科学博物館

 

 

 

 

 

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2025年1月22日 (水)

茨城県天心記念五浦美術館 藤田志朗展 そして六角堂


茨城県の境町に居るのも残すところ二ヶ月半。曇りがちの天気だったが、横浜に戻ると、多分なかなか行けないかも知れないと思い、車を駆って、五浦の美術館に向かった。高速道路を使って二時間半近くのドライブ。


企画展は、創画会の藤田志朗さんの展覧会。年齢は同い年。展示の章だては大まかだが、1980年代終わりから3.11を経て最新までの作品。

観終えてレストランへ。座った席から、湾を挟んで、いわき市が見える。


食べ終えて、六角堂に向かう。一度、津波にさらわれた。といいつも、緊迫感はなかった。というよりも、断崖の先に居住まいがあることに、自分の風景に緊張感が走った。

幻視する風景
藤田志朗の世界
茨城県天心記念五浦美術館
2/11迄
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2025年1月21日 (火)

山口啓介「タブロー版画」ー1990年代山口啓介の初期版画@ギャルリー東京ユマニテ

塩化第二鉄水溶液や硝酸水溶液に銅版をつけ込んで、自分の手の内にあるイメージで、腐食を止めるのが普通なのだが、山口啓介さんの場合は、二割ぐらいが作家自身のイメージだとすれば、残りの八割は、溶液自身が進めていく生成過程に重きを置いていることを聞いている。
山口啓介「タブロー版画」ー1990年代山口啓介の初期銅版画
京橋、ギャルリー東京ユマニテ
1/25迄

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国際コラボ版画展7@Oギャラリー

日本、メキシコ、台湾、アメリカの版画家たちのリレー協働制作の作品展

国際コラボ版画展
銀座、Oギャラリー
1/19 迄

四カ国の四人の各々の版のイメージが重なり、リレー形式で一点の版画作品が出来上がる。四人は同じ場所にいるわけではなく、各々の国での制作が、本展の面白さのひとつ。距離感や時間意識が、作品を醸成させていくように感じる。版画版メールアートかもしれない。
作家単独作品も展示。
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2025年1月 8日 (水)

奥村浩之展「風と波」そして奥能登・再生への道


奥村浩之展
「風と波」そして奥能登・再生への思い
ギャルリー東京ユマニテ
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奥村さんの個展の案内パンフが届いた。


奥村さんは、石川県金沢市出身で、金沢美術工芸大学大学院修士課程修了し、1989年にメキシコに渡り、VeracruzのXalapaに在住して彫刻制作を行っています。

奥能登国際芸術祭に出品した石彫《風と波》は、珠洲市の鰐崎海岸に、同芸術祭開催前の2023年8月に設置されました。その前の5月に珠洲市を震源地とした「奥能登地震」があり、芸術祭の開催も危ぶまれましたが、実行委員会の検討の結果、会期を遅らせての開催となりました。

しかし、翌年の2024年1月1日に、わたしたちが知るところの「能登半島地震」が発災し、甚大な被害が生じました。現在でもなおその被害の状況は全く改善されていないことも知るところです。


手元にいただいたパンフには、地震発災当時の奥村さんの気持ちが綴られています。また、故郷のこと、地震によって一部破損を受けた《風と波》についても触れられています。


「(中略)こうして辿り着いた作品設置場所の鰐崎海岸。地震により隆起し、海側へ大きく広がった海岸線に驚きを覚えつつも、いつものように静かな波がさざめいていた。荒磯上の作品設置場所に立つと、報告写真で見た長い地割れの先に作品《風と波》が立っていてくれた。やっと会えたね。」(パンフ「風と波」そして奥能登・再生の思い2025」から引用)

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2025年1月 6日 (月)

第12回いのちかがやくこども美術全国展 0~6歳の子どもが生み出す絵と造形

第12回いのちかがやくこども美術全国展
0~6歳の子どもが生み出す絵と造形

会期:2024年11月16日~24日
会場:四谷三丁目ランプ坂ギャラリー
主催:NPO法人子ども美術文化研究会

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本展を主催するNPO法人子ども美術文化研究会は、自然とのかかわりを重視した自由な環境の中で、「子どもの文化は美術文化」との共通認識のもと、遊びや造形活動、そして描画活動に積極的に取り組む全国各地の保育園・こども園で構成されている。

本展に展示されている0歳から6歳までの絵は、全国の保育園とこども園からの出品。

年齢別の展示解説を引用しつつ、こどもたちの描画について紹介する。

 

【0~1歳児】
まるで、「アンフォルメル」の「具体美術」の作品が並んでいるようだ。
こどもはまず点を打ち、次いで線を引き、線を集めたら面らしきものを描くようになる。動きのある線や点によって、躍動感のある大きな絵を描く。

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こどもは、床に置いた画用紙からはみ出るように絵を描いている。
展示では、はみ出た部分はマットで隠れている。実際に描かれた様子の写真を絵の下に掲示している。
以下同様。

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【2歳児】
幕末から明治にかけての手本の絵を忠実に模写する「臨画」の指導方法から、大正からは、こどもの創造性を重視した図画教育を提唱する「自由画」が展開され始めた。
真ん中に作者が入り込んだように、大きな円の塊を描き、そこから線が外に向かってのび出す。「友だち関係などから大きな二つの塊をシンボリックに抽象的に描いた絵」もある。

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ところで、0歳から2歳児向けの鑑賞ワークショップや画材を使ったワークショップが美術館レベルでもう何年も前から行われている。関東地方では、定期、不定期を含めて、国立西洋美術館の「ゆったりBABY DAY」、平塚市美術館の「赤ちゃんアート」町田市立国際版画美術館の「こどものための鑑賞会」、いわさきちひろ美術館の「あかちゃんのための鑑賞会」などが挙げられる。

 

【3歳児】
「身体機能の発達と遊びの深まりから、描かれる絵に厚みがでてくる。その厚みを持つ面は立ち上がるような力強さを感じる。
物事への認識が形をイメージさせることからくる。この年齢はものの区別認識や感情の表出・表現から混色も多く出てくる」。

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【4歳児】
遊びの拡がりや深まりから、色をしっかり選択して多種多様な表現が見られるようになる。認識したことや、自己と他者、内と外の世界など自分がとらえたものごとを絵に表現する。楽しい不思議な絵を描く年齢。

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【5歳から6歳児】
「思いのままに自然や自然素材と関わるこどもたちは、創造性を発揮して、造形活動(遊び)を展開する力をつけてくる。友だちと深く遊び込み、大きな造形作品を作りだしたこどもたちは、多様な絵を生み出す。新鮮で創造性にあふれ、迫力と躍動感が満ち、誠実で建設的な絵は、こどもたちの確かな育ちを語っている」。

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会場の冒頭の展示は、こどもたちの絵を下記の四つの美術表現様式に分けて展示がされている。描いたこどもたち本人は、無論このような表現様式などあるとこどもたちは意識していないが、なるほどと感じて観ていた。

①思考型=写実主義
 *地に足をつけた建設的なもの

②感情型=超現実主義
 *夢と空想にあふれている

③感覚型=表現主義
 *感情表現や色彩が豊か

④直感型=構成主義
 *構築性があって構成的で知的

『芸術による教育』の著書を残した文芸や美術の評論家のイギリスのハーバート・リード(1893-1968)は、こどもの多様な絵を、写実主義、超現実主義、表現主義、構成主義の四つに分け、こどもたちには多様な個性があることを明らかにするためにこの分類を行っている。

主催者の子ども美術文化研究会は、こどもたちの絵を理解し、肯定的に受けとめていくために、こどもの絵の分類を試みたと述べている。

これらの絵を描いたこどもたちが、将来もこの画風を引き継いでいくかどうかは無論定かではないが、こどもの成長過程における表現として心を惹くものがある。

①「思考型=写実主義」に分類した絵
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②感情型=超現実主義
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③感覚型=表現主義
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④直感型=構成主義
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以上

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2025年1月 4日 (土)

さくらももこの詩画集

さくらももこが、高校生時代から”ぽかんとしていたり、ごろんとしていたとき”に書留めていた詩を、イラストとともにまとめた詩画集。

日常で感じる素直な気持ちや自然現象、そしてちょっと哲学的な瞑想を、詩形式に綴っている。

国際児童画展の関連イベント、新川和江の詩の朗読会で、この詩画集の一部引用してみようかと思っている。

明日最終日となる、森アーツセンターギャラリーのさくらもももこ展には、詩画集の原画挿絵と自筆の詩が展示されている。
挿絵は、黒い画用紙を白く塗り、その上からペンで描いている。

さくらももこ展
森アーツセンターギャラリー
2025年1月5日まで
会場写真はプレス内覧会にて撮影

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