没後40年 髙島野十郎展-光と闇、魂の軌跡 Takashima Yajuro Exhibition
髙島野十郎《りんごを手にした自画像》
1923 油彩・画布 福岡県立美術館蔵
没後40年 髙島野十郎展 -光と闇、魂の軌跡
Takashima Yajuro Exhibition
会場 目黒区美術館
東京都目黒区目黒2-4-36
電話03-3714-1201(代)
会期 2016年4月9日(土)-6月5日(日)
開館時間 午前10時-午後6時(入館は午後5時30分まで)
休館日 月曜日
観覧料 一般1000円、大高生・65歳以上800円
※中学生以下無料
※障がい者は半額・その付添者1名は無料
※20名以上の団体料金あり
主催 公益財団法人目黒区芸術文化振興財団、目黒区美術館
「孤高の画家」、「蝋燭の画家」として、近年注目を集めている洋画家・髙島野十郎(1890-1975)の展覧会が目黒区美術館(東京都目黒区)で開催されている。
福岡県久留米市に酒造家の四男として生まれた髙島野十郎は、東京帝国大学農学部水産学科を首席で卒業後、画家への道を歩み始める。野十郎は、独力で油彩技法の研究を重ね、会派や団体などには所属せず、家庭を持つこさえ望まず、自らの理想とする写実的な絵画を生涯にわたり追求し続けた。
福岡県立美術館によって野十郎の超俗的な画業が「再発見」され、単なる再現的描写を超えた生命感あふれる精緻な写実表現、光と闇に込められた高い精神性が、ますます評価されている。近年、新たに発見された作品、これまで紹介されたことのない作品、科学的調査による技法分析結果などもまじえ、髙島野十郎の絵画世界の全貌に迫る、「決定版」といえる展覧会となる。
本展は、「蝋燭」や「月」シリーズ、「すいれんの池」や「からすうり」をはじめとする風景画や静物画など、代表作を数多く含む約140点を、五つの大きなトピックに分けて紹介する。
「第1章 初期作品 理想に燃えて」は、旧制中学時代や東京帝国大学在学中に描いた初期作品や、大正期から昭和初期にかけて独力で油彩技法と写実を探求した20点あまりの作品を展示。野十郎の兄・宇朗は画家・青木繁との交友で知られる詩人で、野十郎はこの兄の影響もあって絵画の道に進むことになったと言われている。
髙島野十郎《けし》
1925 油彩・画布 三鷹市美術ギャラリー蔵
1930(昭和5)年、39歳の野十郎はアメリカとヨーロッパに渡り、フランス、スコットランド、イタリアなどの新たな風景と触れ合い、絵画に明るい色彩と流麗なタッチを生み出した。欧米時代の作品13点が「第2章 渡欧期 心軽やかな異国体験」で展覧できる。
髙島野十郎《ノートルダムとモンターニュ通II》
c1932 油彩・画布 福岡県立美術館蔵
野十郎は生涯に渡り、さまざまな土地に旅し、数多くの風景画を残している。「第3章 風景 旅する画家」では、草花や地形、時には一瞬の水の表情や微妙な天候や光に透徹したまなざしを向けた風景画約60点を紹介する。
髙島野十郎《石神井池》
1965 油彩・カンバスボード 福岡県立美術館蔵
野十郎の静物画には、微妙に異なる素材、さらに種類によって表情の異なる果物などが描き分けられている。存在感のある静物画約20点を展示する「第4章 静物 小さな宇宙」。
髙島野十郎《からすうり》
制作年不詳 油彩・画布 個人蔵
際立つ光と闇、太陽や月、そして揺らめく蝋燭の炎が野十郎の心を捉える。精緻で静かな光の表現は単なる視覚的イメージを超え、神秘的な精神性を思い起こさせる。「第5章 光と闇 太陽 月 蝋燭」は、野十郎の絵画の到達点ともいえる作品約35点を紹介する。
髙島野十郎《蠟燭》
1912-1926 油彩・板 福岡県立美術館
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