スペイン・コミック Max
セルバンテス文化センター東京において、2007年度スペインコミック賞を受賞した漫画家・イラストレーター、マックスの講演会が開催されます。本人が自身の作品について語るほか、海外コミック・漫画評論第一人者の小野耕世氏との対談があります。
☆日時: 2009年5月29日(金) 19:00から
☆会場: セルバンテス文化センター東京 B1オーディトリアム
東京都千代田区六番町2-9 セルバンテスビル
電話 03-5210-1800
☆入場無料(要予約) 参加希望者は下記メールで申込みをしてください。
*詳細についてはセルバンテス文化センター東京にお問合せ下さい。
【作家プロフィール】
1956年バルセロナ生まれ。 “Max”ことフランセスク・カプデビラ(Francesc Capdevila)は、1973年よりマンガ集団エル・ロジョ(El Rollo)のメンバーとして、マンガを描き始める。この集団は、特にアメリカ・アンダーグラウンドとロバート・クラム(Robert Crumb)の影響を深く受けていた。この時期彼の作品で興味深いのは、ヒッピーメンタリティーを持ちながらも、カール・マルクスの「資本論」をマンガで表現したことである。これが彼の転換期となった。
1979年、後にアンダーグラウンドの伝説的マンガ雑誌となる「エル・ビボラ(El Vivora)」クプラ出版(Ediciones La Cúpula)の創設メンバーに加わる。その後、アンダーグラウンド界の社会または政治思想を表現する人物像で、暴力的なキャラクターのグスターボ(Gustavo)やディズニーのピーター・パンと対比させたピーター・パンク(Peter Pank)を発表する。
80年半ばには、彼のイラストの作風に影響を与えたチャランド(Chaland)スタイルと出会 い、エル・ビボラ(El Vivora)調から外れ、”リネア・クララ” (Línea Clara/ クリアライン)スタイル寄りになる。
90年代最後まで特定の人物や特定のテーマにとらわれず、さまざまなマンガを生み出していった。この間、イラスト制作に専念し、短編マンガは、ごく個人的な性格の作品を生み出す以外、副次的な仕事となる。作品としては90年代前半の短編マンガ集「コモペロス!」(¡Como Perros!)、1997年の「T氏の延々と続く夢」(El prolongado sueño del señor T )シリーズ、「スーパーリアリスト、バルディン」(Bardín el Superrealista)の主要キャラクターのマンガがある。「エル・パイス紙」(El País)やアメリカ大陸発見500年記念本などへの掲載依頼作品もある。
作家近影
1995年にはマニア向けの雑誌「ノソトロス・ソモス・ロス・ムエルトス」誌(Nosotros Somos Los Muertos)(以降NSLM誌、「私たちは死者である」の意)を創設、共同編集(1993年の0号はコピーで広まった)を始める。スペインの著名な漫画家の間のみならず、世界的にも評価されるようになる。
Maxのイラストレーターとしての仕事は、ポスター、本、雑誌、CDなど多岐に渡り、今や国際的イラストレーターとして名声を得ている。米国のニューヨーカー・マガジンの表紙やスウォッチのデザイン、F.C.バルセロナの1998年の100周年記念のマスコット、短編アニメ、マイクロフィルムシリーズ(シネマニア・チャンネル、1999年)は 2000年にランス賞を受賞している。子供向けの本のイラストでは、1997年にスペイン文部科学省主催の青少年の本の挿絵の国家賞を授与した他、多数の賞を受賞している。
Maxオフィシャルホームページ(スペイン語、英語) http://www.maxbardin.com/
小野耕世(おの・こうせい)
映画・マンガ評論家。海外マンガの翻訳・紹介・研究による長年の功績により、2005年第10回手塚治虫文化賞特別賞を受賞。国士館大学21世紀アジア学部客員教授、日本マンガ学会理事を務める。
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