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2008年6月18日 (水)

美術運動-El Paso集団

美術運動-El Paso集団

 第2次世界大戦後のスペインは、社会的政治的な混乱状態にあった。美術の世界でも、20年の間、無気力な時間が続いた。1957年、アンフォルマリズムの若いアーティスト集団が出現した。彼らは、社会にある無関心、無感動さを打破し、スペインを美術に相応しい国に取り戻した。

 国際的な衝撃をもたらして出現した若いアーティスト集団エル・パソEl Pasoのメンバーは、ホセ・アイジョンJosé Ayllón、ラファエル・カノガル Rafael Canogar、マルティン・チリノ Martín Chirino、マヌエル・コンデ Manuel Conde、ルイス・フェイト Luis Feito、フアナ・フランセス Juana Francés、マヌエル・ミジャレス Manuel Millares、マヌエル・リベラ Manuel Rivera、アントニオ・サウラ Antonio Saura、パブロ・セラーノ Pablo Serrano、アントニオ・スアレス Antonio Suárez、マヌエル・ビオラManuel Violaたちである。

Elpaso

 キュービズムからシュールレアリスまで、あるとあらゆる傾向を持った画家、彫刻家たちが集まった異質な集団が、アンフォルマリズムのなかでまとまることができた。それは共通の問題を抱え、似たような体験と環境、共通した文化様式(同国の書籍やアーティストに触れていることに関して)が、作品表現で彼らを条件づけた。

 フランコ体制の公認美術として、この集団が認められてから、彼らの作品には過度の社会的批判は薄まった。体制へ従順することは無かったが、互いに利用する環境づくりに貢献することでEl Pasoにとっては追い風となり、国際的評価を得た。

 El Pasoは結成から10年後分裂したが、美術的遺産を残すとともに、数多くのアーティストたちに、個々の形で影響を与えた。

Marcelo Ferrando 執筆(ArteSpainより)

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