展覧会/Exhibition

2018年6月21日 (木)

特別展「神奈川県博開館51周年記念 つなぐ、神奈川県博 ―Collection to Connection―」

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特別展「神奈川県博開館51周年記念
つなぐ、神奈川県博 ―Collection to Connection―」
神奈川県立歴史博物館 7/1(後期)まで

 神奈川県立歴史博物館の建物は、かつて横浜正金銀行本店として1904年から1964年まで使われていた。横浜正金銀行は東京銀行の前身で、東京銀行はその後、三菱UFJ東京銀行となったが、今年の4月に行名から「東京」が外されてしまった。

 空調設備改修工事完了後の最初の展覧会。われわれが知るところの神奈川県ゆかりの宮川香山の眞葛焼、五姓田絵画、ジャパン・パンチなどの歴史文物の他、横浜正金銀行関係資料、代々のスキー板、写真引伸機もあった!最後の展示コーナーには東宝映画の宣伝資料も。

 前期展示に引き続いて後期展示にもあるのかどうかわからないが、神奈川歴博の新人学芸員たちが書いた解説パネルが添えられている。

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2018年6月16日 (土)

安彦文平・卯野和宏 油彩画二人展

安彦文平・卯野和宏 油彩画二人展
春風洞画廊

 夜、鏡のような湖面に映し出された月は美しいが、ひと吹きの風で湖面は揺らぎ、月は瞬く間に崩れてしまう。カンバスに絵具で定着された静物、人物はそのようなことにはならないが、鑑賞者の心の揺らぎで、いかのようにでも鑑賞者の心に反映される。そこから対象の忠実な再現を超えた「実在性」が獲得されるのであろう。

6/20から6/26まで、阪急うめだ本店美術画廊に巡回
ギャラリートーク:6/23(土)14:00

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2018年6月15日 (金)

蓑口ヒロミ 林忠彦

蓑口ヒロミ写真展 連華の譜
富士フィルムフォトサロン東京
 国立新美術館のルーヴル美術館展内覧会の帰りに立ち寄った写真展。日本画と見間違うほどの写真作品。案内はがきには「…和の世界、洋の世界の両視点のイメージで切り取り、絵画的傾向の作品をまとめてみました」と書かれてある。在廊していた作家に聞くところによると、印画紙はダイヤモンド紙を使って、絵画的効果を高めたという。ここまでくるのに試行錯誤した話も聞いた。銀塩写真を使っている。墨画のような作品もあった。19世紀にダゲレオタイプの写真機が出現し、画家たちを脅かした。その当時、画家から写真家に転向した者たちもいた。またしても画家たちを脅かすのか!?

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時代を語る林忠彦の仕事
フジフィルムスクエア
 チラシに使われている写真は、太宰治が銀座のバー、ルパンで飲んでいる姿を捉えている作品としてよく知られている。太宰治の視線はどこに誰に向けられているのかと改めて問われると、なんなんだろう。種明かしは、写真展にいくとわかるのだが、もう第2部の展示が始まっているので、話してもいいのかな。トリミングされる前の本作には、坂口安吾が写っていたのだ。坂口は、太宰の情死後、雑誌に「太宰治情死考」を書いている。第2部は7/1まで。

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2018年6月13日 (水)

ルーヴル美術館展 肖像芸術——人は人をどう表現してきたか Louvre L'art du portrait dans les collections du Louvre

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ルーヴル美術館展 肖像芸術——人は人をどう表現してきたか 
Louvre L'art du portrait dans les collections du Louvre

 1991年西洋美術館で「ルーヴル美術館特別展―肖像表現の展開」で紹介されてから27年ぶりに来日した《美しきナー二》をはじめ、時の権力者たちの肖像画や彫刻など、ルーブル美術館全8部門(古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画)から選りすぐられた約110点の作品を展示。時代によって異なる、肖像に対する思いれや意味づけ、表現方法の流れが楽しめる。

 肖像の起源となる古代エジプトのマスク二点を展示する「プロローグ マスク―肖像の起源」で本展が始まる。ひとつは、ミイラにかたどった人型棺の蓋の頭部を飾ったマスク、もうひとつは、ミイラの頭部の上に置かれた板絵の肖像画である。

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展示風景:《棺に由来するマスク》エジプト出土(紀元前1391-53)

 「第1章 記憶のための肖像」では、神々に捧げるため、子孫に残すために制作された、古代から19世紀までの肖像作例を紹介する。そのなかで、肖像の重要な役割を担った祭礼美術がある。亡き親族たちを描いた葬礼肖像では家族ひとりひとりの顔貌を表現した《墓碑肖像》と、銘文のある《祭礼モザイクの3つの断片》。

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 展示風景:《墓碑肖像》左から、マケドニアとトラキアの間の地域で出土(3世紀半ば)、出土地不詳(180年頃)、マケドニアとトラキアの間の地域で出土(2世紀末‐3世紀初頭)

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展示風景:《祭礼モザイクの3つの断片》エデッサ(現トルコ、ウルファ)周辺で出土(2世紀末‐3世紀)

 《マラーの死》(1794頃)は生々しさがある記憶のための肖像画だ。フランス革命の重要人物であるジャン=ポール・マラー(1743-1793)は、皮膚病治療のために入浴していた時、対立する陣営の若い女性に刺殺された。

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展示風景:左から、アンリ・ド・トリケティ《フランス王太子、オルレアン公フェルディナン=フィリップ・ド・ブルボン=オルレアン(1810-1842)の墓碑肖像》(1843-44頃)、ジャック=ルイ・ダヴィッドと工房《マラーの死》(1794頃)

 「権力の顕示」が絵画や彫刻からひしひしと感じる「第2章 権力の顔」。

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展示風景:左から、イアサント・リゴー(1659-1743)の工房《聖別式の正装のルイ14世(1638-1715)》(1702-10頃)、フランチェスコ・マリア・スキアッフィーノ(1688-1763)《リシュリュー公爵ルイ・フランソワ・アルマン・デュ・プレシ(1696-1788)》(1748年)

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展示風景:左から、アンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾン(1767-1824)の工房《戴冠式の正装のナポレオン1世の肖像》(1812以降)、アントワーヌ=ジャン・グロ《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》(1796)

 威厳に満ち緊張した第2章から会場を「第3章 コードとモード」に移動すると、ほっとする肖像群が並ぶ。
 「コード」とは、肖像表現における決まった表現の仕方や表現上のルールを意味している。このコードを踏襲しつつ、各時代・地域・社会に特有のモード(流行)を反映しながら肖像が、ルネサンス以降、多様な展開を遂げる。

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展示風景:左から、オーギュスタン・パジュー(1730-1809)《エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン(1755-1842)》、アントワーヌ・ヴェスティエ(1740-1824)《画家の妻と子どもの肖像》(1787年)

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展示風景:フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス(1746-1828)《第2代メングラーナ男爵、ルイス・マリア・デ・シストゥエ・イ・マルティネス(1788-1842)の肖像》

 展示は、アルチンボンドの二作の登場で終える。エピローグ「アルチンボルド-肖像の遊びと変容」。様々動植物を寄せて集めて描かれた人物画はまさに肖像の遊びと言えるだろう。

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展示風景:左から、ジョゼッペ・アルチンボルド《春》(1573)、《秋》(1573)

東京展
2018年5月30日〜9月3日
国立新美術館 企画展示室1E
東京都港区六本木7-22-2
電話番号:03-5777-8600
開館時間:10:00〜18:00(5・6月の金土は20:00まで、7・8・9月の金土は21:00まで)
※入場は閉館の30分前まで
休館日:火曜日(ただし8月14日は開館)
料金:一般 1600円 / 大学生 1200円 / 高校生 800円 / 中学生以下無料
主催:国立新美術館、ルーヴル美術館、日本テレビ放送網、読売新聞社、BS日テレ
後援:フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

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大阪展
2018年9月22日〜2019年1月14日
大阪市立美術館

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2018年6月 9日 (土)

イルダ・パラフォックス 11864キロの旅 Hilda Parafox ll864km en linea recta

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イルダ・パラフォックス 11864キロの旅 
Hilda Parafox ll864km en linea recta

日本・メキシコ外交関係130周年

セルバンテス文化センター東京
6/25まで

 画家・イラストレーターのイルダ・パラフォックス(メキシコ・シティ出身)は4月中旬より広島県尾道市にある「Air Onomichi」スタジオに滞在し制作を行った。その作品群がセルバンテス文化センター東京で展示されている。

カラフルなメキシコに対する日本のイメージから、和紙と墨でフェミニンな女性を描く。
竹林に佇む女性、林立するサボテンに佇む女性。
ほかに、カンバスにアクリル画、屏風絵やセラミック彫刻を展示。

11864キロは、メキシコシティから広島県尾道市までの距離。

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※作品販売仲介しします。










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2018年6月 6日 (水)

池田龍雄 宮崎進

戦後美術の現在形
池田龍雄展―楕円幻想
Ikeda Tatsuo: An Eliptical Visonary
The Present Tense of Postwar Art
練馬区立美術館 6/17まで

 1945年8月茨城県霞ケ浦の航空隊で特攻隊員として敗戦を迎えた池田龍雄(1928年佐賀県生まれ)は、戦後教師を目指し、佐賀師範学校に入学するが、GHQの通達により、終戦時に陸海軍の現役下士官以上だった者の教職就業が禁じられ、「軍国主義者故に教師不適格」jとなり、師範学校を退学処分となった。池田にとって「終わらない戦後」の始まりとなった。
 国体による「聖戦」の嘘、体制に対する懐疑の眼差し、池田は戦後あらゆる権力に可能な限り身を委ねることなく、自らの責任と意思で考える基本姿勢を、美術の世界でも形づくっていった。
 自戒の意味なのであろうか、展示室に入口スペースの壁には、特攻隊姿の池田の写真が展示されている。
 ペンとインクで描き出された異形の表現(《化物の系譜》、《禽獣記》、《虫類図鑑》などのシリーズ)に目を奪われる。
 最後の展示の章では、1991年から始まる《万有引力》シリーズ、そして現在まで続いている《場の位相》シリーズとして、木や廃品を使った作品などが紹介されている。

宮崎進追悼展
彩鳳堂画廊 6/29まで
 敗戦後1949年までシベリア抑留の体験を持つ宮崎進が5月16日逝去。享年96歳。追悼展が銀座の彩鳳堂画廊で開催中。布のコラージュや油彩などを展示。
 2014年に神奈川県立近代美術館葉山で「生命たちのぼる生命(いのち) 宮崎進展」が開催された。
http://www.moma.pref.kanagawa.jp/museum/exhibitions/2014/miyazaki/index.html

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2018年6月 5日 (火)

古石紫織 山内若菜 ヘラルド・バルガス 上村敦之 大路誠 三越美術品逸品会 

古石紫織個展 陽だまりの誘い
藤屋画廊
案内状からだと水彩画のようにみえるが、日本画作品。淡い色調が大画面に広がる。

山内若菜展
中和ギャラリー
過去の記憶と未来の「記憶」が胎内で巡っている。

ヘラルド・バルガス個展 Gerardo Vargas  El Viaje
Galerie sen no mori
1971年メキシコシティ生まれ。古いおもちゃや日常的なものをモチーフにした版画や立体作品。訪れた日作家が画廊のガラス戸に絵を描いていた。

上村敦之展 浄土にあそぶ
日本橋高島屋美術画廊
アトリエの庭に鶏舎を設けて自ら飼育する様々な鳥たちや草花などの自然を描く。

大路誠洋画展 生命讃歌
日本橋三越本店美術サロン
西洋絵画では読書する女性の姿がよく描かれるが、愛書家の意味を持つ《Bibliophilia》(P100号、チラシ裏面に作品掲載)の女性は目を本から離し、視線を鑑賞者に向けている。

2018三越美術品逸品会
日本橋三越本店新館催物会場
横山大観(17,000,000円台)から現代作家まで、日本画、洋画、彫刻、版画、コンテンポラリーアートなど、約300点を一堂に展覧する。最高価格54,000,000円(中川一政)から20万円前後ぐらいまで。

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2018年6月 2日 (土)

渡辺眸展 東大全共闘1968-1969

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渡辺眸展
東大全共闘1968-1969
角川文庫版出版記念
Gallery Kogure

.狭い画廊だけど写真作品には「開放空間」がある。作家は東大紛争のバリケード内から撮影を行った。日大全共闘闘争も1968年、白山通りの路上占拠から始まっている。「1968年の沸騰」は日本ばかりでなく、フランス、ドイツ、メキシコと、各地で起きた。
最新作の「TEKIYA 香具師」の写真展は現在京都のGallery ississで6/24まで開催中。

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2018年6月 1日 (金)

ジル・サックシック展 鵜飼義丈展

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ジル・サックシック展
ギャラリーアビアント
5月の陽光がまぶしい日に訪れた。
その強い外光もあって、林檎の絵はより柔らかい光につつまれていたように感じた。
Giordio Morandiとよく比較される画家だが、絵肌がMorandiのそれとは違う。...
Gilles Sacksickは1942年パリ生まれ。描画を子どもに始めた画家はルーヴル美術館によく通っていた。

鵜飼義丈展 千里虎
村越画廊
7メートルに及ぶ屏風に描かれた二対の犀が圧巻。
体の大きな犀、獰猛な虎、そして猫を、独特な色使いで描く。
日本画家で僧侶でもある作家(1975年静岡県生まれ)は、6年前に同じ画廊で、豹を「九相図」の形式で描いた作品を発表している。

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2018年5月30日 (水)

家住邦男展 大瀧弘子展 大谷早苗さんを偲ぶ会 第92回国展

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家住邦男展 触覚光
柳沢画廊
メキシコのアマテ紙に顔料粉で描く。水に溶いた絵具に弱いアマテだが、漉く際に強くする溶剤を入れて強くするそうだ。作家はメキシコ在住。

大瀧弘子展
K's Gallery
オールオーバーな作品。

大谷早苗さんを偲ぶ会
K's Gallery
立方体が連続する三次元の色面構成。2017年没

第92回国展
国立新美術館
同展は、1918年「国画創作協会」(創立者は小野竹喬、土田麦僊、村上華岳、野長瀬晩花、榊原紫峰、いずれも日本画家たち)の名の下で創設されてからは今年で100年を迎える。日本画部は1928年に活動を終える。

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