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2023年8月

2023年8月29日 (火)

水が描く、風が描く、土が描く (横尾龍彦-瞑想の彼方 第五章の章題)

地塗りして乾かないキャンバスを揺らし、大きな絵筆で絵具をひねくり回し、さらにその上に鉱物の粒をさらさらと蒔く。頭を空っぽにし、時を待って、自己忘却し絵を描き始めると、横尾龍彦は話す。

横尾龍彦 瞑想の彼方
埼玉県立近代美術館
9月24日迄
内覧会取材撮影
29agosto2023
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《風》2001年
ミクストメディア・カンヴァミクストメディア・カンヴァス
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《青い風》2003年
ミクストメディア・カンヴァス

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左:《王の乗り物》1998年 ミクストメディア・カンヴァス
右:《わだつみ》1998年 ミクストメディア・カンヴァス

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2023年8月15日 (火)

パブロ・カザルスとアントニ・ガウディ

パブロ・カザルスが生まれた1876年12月29日、この時アントニ・ガウディは23歳。
同じカタルーニャ出身。

パブロが生まれた1876年に、アントニは、建築学校の卒業制作として、大学講堂の図面を引いている頃。
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アントニ・ガウディ
大学講堂、横断面(卒業設計〈建築家資格認定試験〉)
オリジナル1877年

パブロ13歳の時、小さな楽譜店でバッハの無伴奏チェロ組曲の楽譜を手に入れるのだが、11歳でチェロをすでに弾き始めている。パブロ少年が13歳の頃の1888年から89年にかけて、サグラダ・ファミリア聖堂が建設中断となり危機を迎えた。というのは、着工から1888年頃まで赤字が続いたためらしい。建築予算の他に献金も、建設に重要な資源となっていた。

さて、13歳のパブロ少年は、サグラダ・ファミリア聖堂の予算不足で困っていたことを知ってか知らでか聖堂の傍を、バッハの楽譜を小脇に抱えて歩いていたのでしょうか。これは勝手な想像です。
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Pau Casals a l’edat d’onze anys. Fons Pau Casals.
©Fundació Pau Casals

パブロ・カザルスはこの10月に没後50年を迎えます。
ガウディとサグラダ・ファミリア展
東京国立近代美術館 9月10日迄
※展覧会写真は内覧会取材撮影
※Pau Casals11歳の時の写真©Fundació Pau Casals
15agosto2023

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2023年8月10日 (木)

うえののそこから「はじまり、はじまり」 荒木珠奈展 東京都美術館ギャラリーABC


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うえののそこから「はじまり、はじまり」
荒木珠奈展
東京都美術館ギャラリーABC


森に迷い込んでしまったこどもが、不安と好奇心を持ちながら、いろんなものを体験したり発見したりする冒険に満ちたトレイルが続く。その場所は、上野の森に東京都美術館の中。


絵のない額縁からオルゴールが聞こえてくる。額縁から飛び出してきたペルーの蝶々が数匹舞っている。


「はじまり はじまり」と蝶の舞いとともに舞台の幕は開けられ、旅(viaje)が始まる。


昔、永六輔がラジオで、「その横ちょを曲がったらもう旅は始まるんだよ」と言っていたことよく思い出す。遠くへいかずとも旅はできるということだ。


20数センチ四方の紙片のなかで、家だったり、舟だったり、部屋だったり、時には大波だったり、そして骸骨までもでてくる。それらのモティフには何故かうっとりしてしまう。


青い灯、赤い灯、黄色の灯、緑の灯と、人家の明かりが見えてくる。メキシコの丘の上にあるスラム街のように。


会期は10月9日までつづくので、次回の投稿まで、ここら辺りでひとやすみ(un descanso)。Continuará

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9agosto2023

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2023年8月 9日 (水)

天稚彦物語絵巻

天稚彦物語絵巻 下巻
江戸時代 17世紀
サントリー美術館

「鬼」舅に打ち勝った嫁の話(?)
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息子の天稚彦と長者の娘と仲睦まじく暮らしているのをよく思わない天稚彦の「鬼」父親が、息子の嫁に、無理難題を押しつける。天に戻った天稚彦が居ない間の出来事。

千石の米を一粒残さず別の蔵へ移せよとの「鬼」舅からの課題に、嫁は衣を振るとアリが現れて、アリが米粒を全部運んでくれた。
課題をクリアされてしまった「鬼」舅が次に課したことは、百足が数千匹いる蔵で七日間過ごせよとの課題。それにも嫁はクリアし、さらにヘビの城に入れよという課題もクリアしてしまった。

「鬼」舅は二人の仲を許し、「鬼」舅が投げた瓜が二つに割れて天の川となり、天に戻っていた天稚彦と長者の娘は、七夕の日に再び逢うことができたとさ。

虫めづる 日本の人々
サントリー美術館
9月18日迄
(内覧会取材撮影)
9agosto2023

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2023年8月 2日 (水)

古代メキシコ展 テオティワカンの香炉

このテオティワカン文明の香炉は会場で一段と目を惹きつけた出土品だが、その姿は東南アジアの素朴な香炉とは似て非なる造形である。

 

仏教で香炉の香りは臭気予防と不浄を祓う器として宗教儀式で使われていたが、テオティワカンのこれも、先祖や神を崇拝する儀式用具と考えられている。美品なおかつ完品である。

 

彩色が残る「幾何学文様、動植物や兵士のシンボル、仮面の装飾片」が貼り付けられている。細かい仕事をしているのが素直に感じ取れる。

 

では果たして、何を焚いたのか。香木か。

 

香炉

テオティワカン文明 350550

テオティワカン、ラ・ベンティージャ、宮殿B出土

土器、彩色

高さ57.9cm、幅40.4cm

メキシコ国立人類学博物館

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*内覧会取材撮影

 

古代メキシコ

マヤ、アステカ、テオティワカン

祈り、畏れ、捧げた。

東京国立博物館

93日迄

 

2agosto2023

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2023年8月 1日 (火)

横尾龍彦 「瞑想の彼方」と「顕神の夢」

瞑想や禅という世界に憧れるが、生来の落ち着きのなさで、とんと最後まで付き合ったことがない私だが、信じてもらえないかもしれないが、幻視体験は時々しているみたいだ(?)。

横尾龍彦(1928-2015)は、少年期の神秘体験、そして50歳手前で、「禅に傾倒し、それまでの幻想画から、東洋の瞑想と西洋の神秘主義を融合する画風に変化」(「顕神の夢→幻視の表現者」展図録より引用、岡本太郎美術館2023年)していった。

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横尾龍彦《臥龍》1988年
「横尾龍彦 瞑想の彼方」展(埼玉県立近代美術館)出品
(同展内覧会にて撮影)

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「顕神の夢→幻視の表現者」展図録(岡本太郎美術館2023年)
同展には横尾龍彦の《龍との戦い》(1988年)、《無題》(1981-91年頃)、《枯木龍吟1》(1988年)が出品された。

横尾龍彦 瞑想の彼方
埼玉県立近代美術館
9月24日迄

1agosto2023

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