「ホルヘ・オブレゴン 静寂の表現」展
鎌倉の展覧会「ホルヘ・オブレゴン 静寂の表現」展(6/5まで)
ラテンアメリカの風景画の始まりは、オランダ人画家Frans Post (1612 - 1680)がオランダ領ブラジルのノロデステ(ブラジル北東部)に入った17世紀後半だと言われている。Postをはじめにして、多くの画家たちがラテンアメリカを旅しながら風景画を残していった。スペイン語でこの画家たちを"Artistas viajeros en América Latina(ラテンアメリカの旅行画家)" と呼んだ。
この画家たちの作品が引き継がれ、現在のラテンアメリカのみならず世界中の美術館と個人コレクションの遺産となっている。
鎌倉のGalerie Vivantで観た「ホルヘ・オブレゴン 静寂の表現」の作家Jorge Obregónさんは、1972年メキシコシティで生まれ、UNAM(メキシコ自治大学)のEscuela Nacional de Artes Plásticasを修了しています。卒論の「メキシコの火山:野外創作活動(Volcanes de México, una experiencia al aire libre)」は、Dr.Atl(1875-1964)のことについて触れているのかな。ナウトアル語で「水」を意味するatlを名前にしたDr.Atl(本名はGerardo Murillo)は火山風景を描く画家で、火山の研究家でもあった。アカデミア・デ・サン・カルロス美術学校のグアダハラ校で、Dr.Atlは、壁画のDiego Riveraの先生でした。
Jorge Obregón
Obregónさんは、Luis Nishizawa(ルイス・西沢、1918-2014)と共同で技法研究を行ったとプロフィールに書かれている。今展の富士山の図(紙にアクリル、紙に墨)は、ルイス・西沢から指導を受けたとのではないかとは聞いている。
4junio2023
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