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2023年6月

2023年6月30日 (金)

1863–1923: Sorolla Centennial at the Hispanic Society Museum & Library


光溢れる海辺の白いドレスに身を包みパラソルを持つ婦人や少年でよく知られているJoaquin Sorolla(スペイン・バレンシア出身)の没後100年を記念した展覧会1863–1923: Sorolla Centennial がHiapnic Sociery Muesum & Libraryで開催されている。

歴史画家としてのSorollaの壮大な歴史画が広い展示空間を占めている。観に行きたい。
以下、The Hispanic Society Museum & LibraryのHPより。

1863–1923: Sorolla Centennial at the Hispanic Society Museum & Library

The Hispanic Society Museum & Library proudly celebrates the centenary of the passing of Joaquín Sorolla (1863–1923), an artist whose name and legacy remains inextricably linked to the history of this institution. Sorolla was a renowned Spanish artist, whose work was highly regarded in Europe and the Americas in the early twentieth century. Born in Valencia, he was orphaned early in life and raised by his aunt and uncle, who recognized his artistic talent and arranged for his training in painting and drawing from the age of nine. Sorolla honed his skills in Madrid, studying the works of the old masters and Goya at the Prado, and eventually received further training in Rome in the early 1880s and Paris in 1885.

Sorolla’s success began with his apprenticeship in Valencia with Antonio García (1841–1918), one of the most famous photographers of the nineteenth century. His marriage to García’s daughter, Clotilde García del Castillo, played a significant role in his career. Clotilde managed his household, assisted in preparing exhibitions, and most significantly, served as his muse. Sorolla achieved considerable recognition for his work, winning numerous awards and prizes, including a Grand Prix and a medal of honor at the Exposition Universelle of Paris in 1900 for his painting Sad Inheritance (1899).

Sorolla’s exhibition in London in 1908 caught the attention of Archer Milton Huntington, founder of the Hispanic Society of America, who invited the artist to exhibit his work in New York in 1909. Attracting 168,000 visitors in just four weeks, the exhibition proved a resounding success, and even required the museum to remain open until 11 p.m. in order to accommodate the crowds. In 1911, Sorolla returned to the United States for a subsequent exhibition tour during which he began work on the Vision of Spain, a series of fourteen wall paintings for the Hispanic Society. The dynamic pairing of the Vision of Spain Gallery in conjunction with some of his best paintings in the newly reopened Main Court serves as a tribute to the artist on the centennial of his passing, and to his great patron, Archer M. Huntington.
Sorollagallery

Gothamtogoより
30junio2023

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2023年6月27日 (火)

ガウディとサグラダ・ファミリア展 東京国立近代美術館

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スペイン・バルセロナの「未完のカテドラル」と言われている「サグラダ・ファミリア」は、ガウディ建築の象徴となっている。ガウディ没後100年となる2026年に、サグラダ・ファミリアの中心に位置する最も高いイエスの塔が完成することで、ガウディのプロジェクトが達成することなる。展覧会は、完成間近となりつつあるサグラダ・ファミリアに即して、ガウディの建築思想と造形原理を読み解く。
「建築の展覧会には難しさがある。模型や図面を基に、いかに建築家が建築を作っていったかのプロセスを追わなければならない。ガウディの息遣いや試行錯誤の過程を展覧会のなかで確認していきたい」と担当学芸員の鈴木勝雄氏は記者発表会で述べていた。
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展覧会担当学芸員の鈴木勝雄氏
展覧会は、四つの章に分かれている。第1章では、展覧会を紹介するイントロのビデオ、ガウディのポートレートとプロフィール、デスマスク、愛読書、若き日の自筆の原稿「建築論ノート」、万博の時代のガウディなどの展示がある。
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会場入り口のイントロ動画
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ガウディのポートレート
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デスマスク
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研究ノート
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研究ノート
1878年パリ万博の年に、ガウディは建築家資格取得するとすぐに、バルセロナで有名な革手袋店から依頼を受けたショーケースをデザインし、それがパリ万博に展示された。ガウティ、26才だった。自信に満ちたデザインであることが感じられる。この仕事がきっかけとなり、バルセロナの資産家のパトロンを得ることになり、幸先の良いスタートを切っている。
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革手袋店のショーケースのデザインスケッチ
ガウディとサグラダ・ファミリア展
東京国立近代美術館 9/10まで
27junio2023

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2023年6月25日 (日)

山本直彰展 林檎と無花果 コバヤシ画廊

一口かじった林檎
布地に白い林檎
赤い林檎ではない
果実の「林檎」と花を咲かせない実の「無花果」
アダムと思われる男の足下の二本の線とイブと思われる女の一本の線は、影なのか
山本直彰展
林檎と無花果
コバヤシ画廊
(終了)
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没後10年 映画監督 大島渚 国立映画アーカイブ

資料展示で「大島渚」像が分かってくる。
でもその裏には、映画も観ているという経験もあるが。
コンパクトな展示ながらよかった。
映画ポスター以外は撮影オーケー。
思い出の作品は、「春歌考」「新宿泥棒日記」「少年」「絞死刑」かな。
没後10年 映画監督
大島渚
国立映画アーカイブ
8/6まで
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2023年6月18日 (日)

六種類の聖堂様式 ガウディとサグラダ・ファミリア展

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fuente: CAUCA PATRIMONIO CULTURAL
六種類の聖堂様式
聖堂様式には六種類があり、サグラダ・ファミリアは1番のCatedralにあたる。
CAUCA PATRIMONIO CULTURALにあるイラストが、「ガウディとサグラダ・ファミリア展」にある彫刻群構成を解説しているパネルと同じ。
1.Catedral
高位聖職者の座「cátedra」から来ている。司教「obispo」を示し、賛美する教会のこと。
2.Basílica
その古さ、広大さ、壮麗さから知られている教会のこと。その形状は、数多くの信者を受け入れるためから由来する。
3.Santuario
信仰心篤い巡礼の信者たちが寄る教会もしくは聖なる場所のこと。
4.Parroquia
地域社会の諸活動に役割を果たす拠点となる教区であり、教区信者たちを救う教会である司祭館を備えている。
5.Capilla
一人若しくは複数向けの聖なる場所だが、一般大衆には開放してはいない。神学校や神聖な生活をする施設では、独自の礼拝堂を備えている。
6.Ermita
人里離れた小規模な礼拝堂もしくは至聖所。隠者の庵ともで言うのだろうか。
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ガウディとサグラダ・ファミリア展
東京国立近代美術館
9/10まで
18junio2023

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2023年6月17日 (土)

濱田庄司記念益子参考館

陶芸三昧の一日。
六古窯に比べたら、益子焼の歴史は浅い(ペリーの浦賀来航の頃)が、民藝運動の啓発からそのブランド力は増した。
濱田庄司が子息の晋作氏を伴って、スペインとメキシコを訪れたのは1963年。岡本太郎も1963年にはメキシコを旅している。
濱田庄司がメキシコで蒐集した工芸品の数々が、濱田庄司記念益子参考館で見ることができる。「ラテンの工芸」展の展示は、濱田庄司のコレクションの全てなのか不明だが。もっと貴重な工芸品があるのかないのか。
美術館ではなく、「参考館」と名が付いているのは、陶芸を学ぶ人間にとって参考になってもらいたいという気持ちからだそうだ。
とりあえず、「ラテンの工芸」展(濱田庄司記念益子参考館)のアップ。この後、益子陶芸美術館の展示に続く。
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17junio2023

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2023年6月16日 (金)

バハ・カルフォルニアの洞窟絵

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世界遺産の、サンフランシスコ山地にある岩絵群は、バハ・カリフォルニア半島に住む先住民族を描いていると伝えられている。約10500年前に描かれたと推定される。
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吉田喜重は、著書『メヒコ 歓ばしき隠喩』(岩波書店)で、「バハ・カルフォルニア半島の洞窟絵」について綴っている。
吉田喜重は、洞窟絵の撮影に行くメキシコ人チームに便乗して、向かおうとするが、現地の渓谷の増水によって行く手を阻まれていた。結局は、行けずじまいだったのだが、国立博物館で洞窟絵の写真を見せてもらう。
吉田は、「その写真は、映画のモンタージュではなく、より正確に言えば二重露出の手法を連想させる」と、写真に撮られた洞窟絵の最初の印象を語っている。
(中略)
「角を突き立てて走る野生の大鹿の群れ、それ二重露出されたように古代人と思われるフォルムが単純な抽象図形として、これも群れをなして描かれている」。
多重露出させたようなフォルムの〈ずれ〉は、吉田喜重に現代絵画と通底しあうものを感じさせ、マルセル・デュシャンの『階段を降りる裸体』(No.1, No.2)のような作品を思い起こさせていると続く。
16junio2023
*洞窟絵はMuseo Nacional de Antropologíaから引用。

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2023年6月13日 (火)

ガウディとサグラダ・ファミリア展 東京国立近代美術館

過去日本で東京都現代美術館をはじめ何度か開かれてきたガウディの展覧会。
サグラダ・ファミリアは、IT 技術を駆使して一度は、完成の目途を 2023 年にしたが、コロナ禍であろうか、三年先の 2026 年に延期。2026 年はガウディ没後、100 年にあたる。
ガウディの残された肖像写真は僅かで、アップした肖像写真はその一枚。建築家資格取得直後の 1875 年頃。
二枚目は、デスマスク(1926 年以降)。
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ガウディとサグラダ・ファミリア展
東京国立近代美術館
9/10 まで
その1(内覧会)
13junio2023

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2023年6月 6日 (火)

スペインのイメージ:版画を通じて写し伝わるすがた 国立西洋美術館

1971年に国立西洋美術館にゴヤの「着衣のマハ」と「裸のマハ」を観にいっている。ゴヤの生き様は心に焼き付き、堀田善衛の「ゴヤ」も読んだ。映画も観ているが、映画はサスペンス調だったが。40年後の2011年には「着衣のマハ」のみであったが、「マハ」と再会をしている。さて今回で、ゴヤを含めた複製技法としての版画作品を通じて、スペインのイメージを今一度読み解きたい。
2023年7月4日(火)~9月3日(日)
国立西洋美術館
2023spain
6junio2023

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2023年6月 5日 (月)

「中村宏戦争記憶図画」展(Gallery 58)

最終日(6月3日)に訪れた「中村宏戦争記憶図画」展(Gallery 58)時は、閉幕の5時まで残すところ数時間だった。
おかしな表現だと思われるが、描かれていることは真反対なのだが、「きれいな」展示に感じた。そう感じたのは絵から訴える力があったのかもしれない。
2003年に観た横浜美術館の「中平卓馬展 原点復帰―横浜」展。
2007年に観た東京現代美術館の「中村宏・図画事件 1953-2007」展。
この二つの展覧会を観て以後、中平卓馬(1938-2015)と中村宏(1932-)とは、それぞれ領域は違うが、「記録という幻影 ドキュメントからモニュメントへ」の中平、「絵画者」の中村、どこかに接点があるのかもしれない妄想を抱いている。
中村先生を訪ねてくる客が引も切らず。中村先生にお聞きしたい事があったが、躊躇していたところ、立て込んでいるなか、ありがたいことに、画廊の方が、中村先生に取り次いでいただいた。画廊の方に多謝。
中村先生と同世代の、石井茂雄との交流について少しお話をうかがことができた。石井茂雄のことは改めて調べてみたい。
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4junio2023

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「ホルヘ・オブレゴン 静寂の表現」展


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昨日、6月3日、最終日間近と最終日の展覧会を観に、鎌倉とギンザを歩いた。

鎌倉の展覧会「ホルヘ・オブレゴン 静寂の表現」展(6/5まで)

ラテンアメリカの風景画の始まりは、オランダ人画家Frans Post (1612 - 1680)がオランダ領ブラジルのノロデステ(ブラジル北東部)に入った17世紀後半だと言われている。Postをはじめにして、多くの画家たちがラテンアメリカを旅しながら風景画を残していった。スペイン語でこの画家たちを"Artistas viajeros en América Latina(ラテンアメリカの旅行画家)" と呼んだ。

この画家たちの作品が引き継がれ、現在のラテンアメリカのみならず世界中の美術館と個人コレクションの遺産となっている。

鎌倉のGalerie Vivantで観た「ホルヘ・オブレゴン 静寂の表現」の作家Jorge Obregónさんは、1972年メキシコシティで生まれ、UNAM(メキシコ自治大学)のEscuela Nacional de Artes Plásticasを修了しています。卒論の「メキシコの火山:野外創作活動(Volcanes de México, una experiencia al aire libre)」は、Dr.Atl(1875-1964)のことについて触れているのかな。ナウトアル語で「水」を意味するatlを名前にしたDr.Atl(本名はGerardo Murillo)は火山風景を描く画家で、火山の研究家でもあった。アカデミア・デ・サン・カルロス美術学校のグアダハラ校で、Dr.Atlは、壁画のDiego Riveraの先生でした。
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Jorge Obregón

Obregónさんは、Luis Nishizawa(ルイス・西沢、1918-2014)と共同で技法研究を行ったとプロフィールに書かれている。今展の富士山の図(紙にアクリル、紙に墨)は、ルイス・西沢から指導を受けたとのではないかとは聞いている。

Obregónさんは、福島支援の活動を2018年から、中国人版画家の庄漫さんとともに行っているという。
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庄漫

4junio2023

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