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2022年5月

2022年5月10日 (火)

ボテロ展 ふくよかな魔法 Bunkamuraザ・ミュージアム

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ボテロ展 ふくよかな魔法 Bunkamuraザ・ミュージアム
7/3まで

ふくよかな造形、鮮やかな色面、滑面の画肌と、会場に入ると圧倒される作品群。

 

ボテロは、ピエロ・デラ・フランチェスカの西洋美術やディエゴ・リベラたちのメキシコ壁画から影響を受けつつ、出生地コロンビアを含めたラテンアメリカのアイデンティティを描いている。バーナード・ベレンソンの「触覚値」説に基づいた、「かたち」を描くことにフェルナンド・ボテロの拘りがあった。ふくよなか造形に結びつく根源がこれらにあった。

 

1970年代からの彫刻は、絵画の単純な三次元化ではなく、膨らみを持ち滑らかなモデリングが、絵画とまた違う空間領域を占める。

 

「ラテンアメリカでは、表面や形を完璧にすることは美の理想の重要な部分である。コロニアルアート、彫刻においてそれは明らかだ。(後略)」(チェチリア・ブラスキ著「フェルナンド・ボテロ 形を超えて」ボテロ展図録より)とボテロは述べる。

 

 ラテンアメリカのコロニアル期における、ごてごてのウルトラ・バロックの教会装飾は、その「完璧性」を窺わせている。そして、ボテロにとってのアメリカ大陸人としての「原点回帰」を、ホセ・オロスコ・クレメンテ、ディエゴ・リベラ、ダヴィッド・アルフォロ・シケイロスの壁画作品の造形性に見出した。

 

 コロンビアやラテンアメリカのアイデンティティを求めるというと、ローカル性が強くなると思われそうだが、ボテロの作品にはそのローカル性を普遍化させる「魔法」を感じる。

 

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《泣く女》1949/水彩・紙
フェルナンド・ボテロ

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《バリェカスの少年(ベラスケスにならって)》
1959/油彩・カンヴァス

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《庭で迷う少女》1959/油彩・カンヴァス
《馬に乗る少女》1961/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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《黄色い花》《青の花》《赤の花》(3点組)
2006/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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右:《洋梨》1976/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

 

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《キリスト》2000/油彩・カンヴァス
《神学校》2004/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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《聖バルバラ》《聖ゲルトルード》《聖カルシダ》
2014/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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《コロンビアの聖母》1992/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ
ギャラリー・トークする三谷理華(日本側の学芸協力・女子美術大学教授)

 

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《カーニヴァル》2016/油彩・カンヴァス
《カーニヴァル》2016/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

 

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《通り》2000/油彩・カンヴァス
《楽士たち》2001/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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《パーティーの終わり》2006/油彩・カンヴァス
《寡婦》1997/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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《カーニヴァル》2019/鉛筆・水彩・カンヴァス
《二人の楽士》2019/鉛筆・水彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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《踊る人たち》2019/鉛筆・水彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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《ベラスケスにならって》2006/油彩・カンヴァス
《ベラスケスにならって》1984/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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《ピエロ・デラ・フランチェスカにならって》(2枚組)
1998/油彩・カンヴァス
フェルナンド・ボテロ

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ミュージアムショップ
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ミュージアムショップ

フェルナンド・ボテロの彫刻(参考として)
20211116-70
《横たわる人物》1984/ブロンズ
フェルナンド・ボテロ
埼玉県立近代美術館の野外彫刻

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