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2022年4月

2022年4月13日 (水)

ボテロ展ふくよかな魔法 Bunkamuraザ・ミュージアム

「ボテロ展ふくよかな魔法」が、今月29日から、Bunkamuraザ・ミュージアムで始まる。

ボテロの絵本が手元にある。
十数年前に、スペインの国際ブックフェアで版元からプロモーション用コピーとしていただいた絵本。ボテロ( Medellín-Colombia, 1932-)の絵本と言っても、ボテロを題材にしている。4月19日生まれなのか。

El sueño de Fernando Botero
Texto e ilustraciones de Alberto Urcaray
Ediciones Brosquil, 2008

太った人間や動物を描くことで知られているボテロ。
そのことを題材にした絵本。

太った洋ナシを描き終えたボテロは、洋ナシの絵を、太ったお父さん、太ったお母さん、太ったこどもたち、太った馬、太った果物の絵が置いてある部屋に持ってゆきました。

その夜、ボテロがベッドに入ると、絵の中の家族たちと馬が絵から出て、台所に向かいます。でも太った果物たちは絵から出ませんでした。
家族たちは台所にある食べ物をムシャムシャと食べ始めたのです。馬も外で牧草をムシャムシャ食べ始めました。そうすると、なんとみるみるうちにみんな太り始めました。夜が明けようとしています。その後、どうなるのでしょうか。

13abril2022

El sueño de Fernando Botero 
Texto e ilustraciones de Alberto Urcaray 
Ediciones Brosquil, 2008 

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2022年4月12日 (火)

ミロと茶の湯

ミロと茶の湯

ミロの蔵書には、岡倉覚三(1863-1913)が著した「茶の本」がある。岡倉が「茶の本/The Book of Tea」(1906)を英語で書いたのは、ボストン美術館の一員となった頃だった。ミロは、そのカタルーニャ語版「El llibre del te」を持っていた。

岡倉は、「茶の味には微妙な魅力があって、人はこれに引きつけられないわけにはゆかない、またこれを理想化するようになる。西洋の茶人たちは、茶のかおりとかれらの思想の芳香を混ずるに鈍ではなかった」(Kindle版、底本:「茶の本」岩波文庫、2005年)と綴っている。ミロも茶の味の魅力に取り憑かれたひとりだったのだろうか。

ミロのガリ美術学校時代の友人、陶芸家のJosep Llorens i Artigas(1892-1980)は、ミロのすべての陶作品の制作に携わっている。また民藝運動を主導した陶芸家の濱田庄司と親しかった。

Artigasの息子には、やはり陶芸家のJoan Gardy Artigas(1938-)がいる。奨学生として日本を訪れ、濱田庄司のもとで学んでいる。そして、伊賀焼の谷本洋(1958-)がJoan Gardy Artigasの助手を務めた。ミロと茶の関係が、ある意味ではここまで及んでいるのか。

谷本洋さんの個展を、2021年9月に日本橋三越で観ていたが、その時点ではミロ展の日本開催はまだ知らなかった。

ミロ展日本を夢みて
Bunkamuraザ・ミュージアム 
4/17まで
11abril2022
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ミロ所蔵の日本の民芸具など
ミロ展 日本を夢みて
Bunkamuraザ・ミュージアム
内覧会取材撮影


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左:ジョアン・ミロ  すもう 1967年  7.5x37.00 
東京藝術大学美術館
右:ジョアン・ミロからの贈り物(ミロのカラバサ) 1976年贈呈 ヒョウタン 19.0x Φ23.0 富山県美術館
ミロ展 日本を夢みて
Bunkamuraザ・ミュージアム
内覧会取材撮影


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谷本洋陶展
作為と無作為の界
日本橋三越


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ミロのチョコレートで自服
茶碗は、岩手県野田村に窯を構える泉田之也さんの作


 

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2022年4月 1日 (金)

ウクライナとロシアのこどもたちの絵の展示 ~平和な日常が再び訪れることを願って~

ウクライナとロシアのこどもたちの絵の展示
~平和な日常が再び訪れることを願って~

現在、神奈川県立地球市民かながわプラザ(あーすぷらざ)の架け橋(5階)で、ウクライナとロシアのこどもたちの絵の展示を開催してます。これらの絵は、カナガワビエンナーレ国際児童画展(神奈川県主催)に寄せられた絵のなかから、ウクライナとロシアのこどもたちの絵を展示しています。 5/8まで
カナガワビエンナーレ国際児童画展は、去年の春まで運営と企画に13年以上関わっていました。プーチン、ロシア大統領による、ウクライナへの軍事侵攻を受けて、関係者外の身分になってしまいましたが、展示企画を提案しました。
展示作品は、《失われた日常》を全体コンセプトにして、人と人のつながり(家族、友だち)、人と自然、住んでいる町や村、人と動物、文化と伝統の題材から選びました。ウクライナとロシア、それぞれ仲良く21点ずつ。展示レイアウトは、国で分けずに、題材毎に展示しています。
下に書いた「開催にあたって」のテキストは会場には掲示されていませんが、参考にお読みください。その後に続くテキストは、展示を見に来てくれるこどもたちに向けです。これも会場には掲示されていません。
🌸🌸🌸🌸🌸
ウクライナとロシアのこどもたちの絵の展示
~平和な日常が再び訪れることを願って~
 2022年2月、ロシア軍によるウクライナへの侵攻によって、ウクライナから国外に避難する人々が大勢います。そのなかには、親がこどもの手を引き、あるいはこどもを抱きながら、逃げ惑う姿があります。
 一方でロシアは、外国から経済制裁を受けて、ロシア市民の生活にも影響がでています。
 戦争によって最初に犠牲を強いられるのは、こどもを含めた社会的弱者の市民たちです。
 戦争前は、平和な日常の時がウクライナにもロシアにも流れていました。
 平和であった日常の時が、一瞬にして戦争によって奪われてしまったことは残念に思います。
 平和は、ウクライナのこどもたちの笑顔と、ロシアのこどもたちの笑顔があってこそ成り立つものであり、誰かの犠牲の上に成り立つものではありません。
 平和な日常が再び訪れることを願い、ウクライナとロシアのこどもたちが、戦争前に描いた絵を展示します。こどもたちが描いた絵を通して、平和であることを強く望むとともに、世界の各地で、国や文化を超え、相互理解のための活動や平和を築く活動をわたしたちは支持し、これらの活動が広がることを願っています。
2022年3月
カナガワビエンナーレ国際児童画展事務局
🌸🌸🌸🌸🌸
この展示を見に来てくれたみなさんへ
 ここに展示しているウクライナとロシアのこどもたちの絵には、「大好きな家族」、「ともだち」、「住んでいる町」が画面いっぱいに描かれています。
 みなさんがこれらの絵をみて、「いいなぁ!」、「すてきだな!」と感じるところがいっぱい見つかるとうれしいです。
 そしてもうひとつ。この絵を描いたお友だちは、今どうしているのかと思いますか?
 この絵を描いたお友だちが住んでいるウクライナとロシアでは、今、戦争が行われています。
 ウクライナに住んでいるお友だち、ロシアに住んでいるお友だち、そして日本に住んでいるお友だち、世界中のお友だちがみんななかよくなり、笑顔でいられる平和な日常が再び訪れるようにと、わたしたちは願っています。
 憎しみからは憎しみしか生まれせん。平和は誰かの犠牲の上には成り立ちません。
 今、わたしたち一人ひとりができることを考えてみませんか。
2022年3月
カナガワビエンナーレ国際児童画展事務局
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