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2019年4月

2019年4月28日 (日)

ゴンサロ・ピニージャ Gonzalo Pinilla

 神奈川県民ホールギャラリー(展示室1)で、6月に開催するコロンビアとアルゼンチンの三人のアーティストたちの一人、ゴンサロ・ピニージャ(Gonzalo Pinilla)は、1971年コロンビア生まれ。コロンビア国立大学版画・絵画課程を1995年に修了したのち、イタリアのフィレンツェ美術アカデミーで版画・壁画を学びました。コロンビア国内の大学等で版画の指導をしたのち、米国のアイオワ大学大学院に進み、版画修士課程を修了しました。現在、同大学で版画制作の指導にあたっています。 個展は、コロンビア、チェコ、米国などで開催。日本での初個展は2006年に横浜と東京で開催しました。

 2006年8月に横浜の神奈川県民ホールギャラリーで、「ラテンアメリカ美術 コロンビア作家の絵画・版画 ゴンサロ・ピニージャ展」を開催した当時の展覧会案内状に、ラテンアメリカ美術研究者の加藤薫氏は、ゴンサロ・ピニージャについて次のように書いています。

「コロンビアの出身の20世紀現代美術作家ではフェルナンド・ボテロの知名度が圧倒的に高いが、最近はボテロの呪縛から解放され、世代交代を感じさせる若くて才能ある人材が輩出している。絵画や版画といった平面作品をてがけるゴンサロ・ピニージャもその一人である。

 イタリア留学で確かなものしたメチエをベースに人間の優しさの背後に潜む獣性、消費される対象としての動植物が人間の生み出したモノを消費する倒錯、権勢の強さと裏腹の不安や脆弱さ、といった現実世界の多重性を暴き出している。

やみくもに先端技術を追うのではなく、人間と社会や動植物との共生という古くて根源的な課題に地道に取り組んできた。

現代美術批評の世界ではアヴァンギャルドの最先端が何処にあるかを競って論ずる時代はとっくに終わった。代わって、美術作家個人のモダニティー理解のレベルと、そのモダニティー理解がどのように巧みに作品に表象されているかが論じられるべき時代になっている。ピニージャの作品は、この新しい美術評論の言説に十分耐えうるものである。日本での作品公開が待ち遠しい」。

※6月に開催する展覧会の作家たちを何回かにわけて紹介します。

 

断片化されたメタファーと修復

イサベル・バルブッサ、パトリシア・レオン、ゴンサロ・ピニージャ三人展

会期 617日(月)-23日(日)

会場 神奈川県民ホールギャラリー展示室1

   横浜市中区山下町3-1

   みなとみらい線日本大通り駅3番出口より徒歩約8

   ※JR根岸線・市営地下鉄関内駅からは徒歩約15

   アクセス https://www.kanagawa-kenminhall.com/access

時間 10:0018:00

   ※17日(月)は13時から/23日(日)は15時で終了

作品リスト(一部)

ダウンロード - 3personas.pdf

同時期に、Akira-Isao Galleryで、パトリシア・レオンとゴンサロ・ピニージャの二人展を開催します。
Akira-Isao Galleryは神奈川県民ホールギャラリーから至近距離にあります。会期は、6月19日から28日までです。

 

 

 

 

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2019年4月27日 (土)

アントニエタ・リバス

4月15日から16日にかけて火災が発生したノートルダム大聖堂で、今から88年前に、拳銃自殺を図ったメキシコ人女性がいた。この女性はアントニエタ・リバスといい、メキシコの女優、文化支援者、女性権利擁護者、政治活動家、作家であった。

1900年にメキシコ・シティで生まれたアントニエタは、父親の建築家、彫刻家のアントニオ・リバス・メルカド(1853-1927年)の影響を受け、子どもの頃から芸術に親しめる環境で育ち、音楽やダンスを学んでいた。
※父親のアントニオ・リバス・メルカドは、メキシコ・シティを訪れた者にとっては、よく知られる、レフォルマ通りにある通称アンヘル(天使)と呼ばれている独立記念塔の建立者である。

アントニエタ、8歳の時、父親とパリに旅行した際、パリのオペラ座で、バレーを専門的に学べる機会を得た。しかし、父親は、娘をパリに残すことを嫌い、アントニエタのオペラ座でバレーを学べる機会は失われた。アントニエタは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ギリシア語を学んだという。

1918年、18歳で、米国在住のイギリス人と結婚し、子どもをもうけたが、夫婦生活は順調とは言えなかった。

その後、メキシコ公教育大臣のホセ・バスコンセロスと心情的な友となり、彼の大統領選出馬(1929年)に際して、アントニエタは惜しみない協力をしたが、バスコンセロは大統領選に敗北する。敗北したバスコンセロは選挙不正の疑惑を受け、メキシコから出国。アントニエタも、ニューヨークに逃れ、作家、ジャーナリストとしてニューヨークで活動する。
※バスコンセロスは、ヨーロッパ留学中の画家を呼び寄せ、国立高等学校、文部省等に壁画を描かせている。これがメキシコ壁画運動(1921年から)の始まりとなる。

アントニエタは、1931年2月11日に、パリのノートルダム大聖堂で、拳銃自殺という悲劇的な最期を遂げる。使った拳銃は、バスコンセロスが常に携帯していたものであった。

この事件がきっかけで、スペイン人映画監督カルロス・サウラ(1932年-)は、映画《アントニエタ》を制作し、アントニエタ役には、フランス人女優のイサベル・アジャーニを起用している。
※カルロス・サウラの兄は、抽象表現派の画家のアントニオ・サウラ(1930-1998年)。

アントニエタの自殺の原因は、いくつかあるらしいが、ホセ・バスコンセロスとの関係が起因されていると言われている。アントニエタの自殺のニュースは、聖堂という神聖な場所であるという理由で、当時のパリのマスコミはあまり報じてはいない。アントニエタの亡骸は、パリの墓所に埋葬されている。

《Sinebargo》記事の要約

Cineantonieta
映画《Antonieta》ポスター

 

Antonieta-foto-especial
アントニエタの肖像写真Foto:Especial

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2019年4月16日 (火)

断片化されたメタファーと修復 イサベル・バルブッサ、パトリシア・レオン、ゴンサロ・ピニージャ三人展 Fragmented Metaphors/Reparation Isabel Barbuzza-Patricia León-Gonzalo Pinilla

米国在住のコロンビア人とアルゼンチン人アーティスト3人の作品展を、神奈川県民ホールギャラリーで開催します。
写真家パトリシア・レオンと版画家ゴンサロ・ピニージャは、写真の言語と複製技法(写真と版画)によるグラフィック言語との関係を探る。イサベル・バルブッサは、植民支配者から独立・離脱してもなお南半球の国々に残る植民地遺産が語る物語を再文脈化し再形成する。

※パトリシア・レオンとゴンサロ・ピニージャの二人展を、神奈川県民ホールギャラリーの近くにある、Akira-Isao Galleryでも開催します。

詳細は後日お知らせいたします。

 

Isabel_barbuzza
Isabel Barbuzza/イサベル・バルブッサ《Chamán/シャーマン》2017
Discarded World Encyclopedia, glue, fabric, and wood.
©Isabel Barbuzza

 

Patricia_leons
Patricia León/パトリシア・レオン《Caja de Palabras/ことば箱》2018
Installation; Color Photography, printed words, and paper box.
©Patricia Leon

 

Gonzalo_pinillas
Gonzalo Pinilla/ゴンサロ・ピニージャ《Receta de Libros/本のレシピ》2018
Photogravure
©Gonzalo Pinilla

 

 

断片化されたメタファーと修復

イサベル・バルブッサ、パトリシア・レオン、ゴンサロ・ピニージャ三人展

会期 617)-23

会場 神奈川県民ホールギャラリー展示室1
   横浜市中区山下町3-1
   みなとみらい線日本大通り駅3番出口より徒歩約8分
   ※JR根岸線・市営地下鉄関内駅からは徒歩約15分

   アクセス https://www.kanagawa-kenminhall.com/access

時間 10:0018:00

   ※17日(月)は13時から/23日(日)は15時で終了

Fragmented Metaphors/Reparation
Isabel Barbuzza-Patricia León-Gonzalo Pinilla
Fragmented Metaphors/Reparation is a three persons exhibition by Isabel Barbuzza
(Argentina), Patricia León (Colombia) and Gonzalo Pinilla (Colombia), the three
residing in the United States.

While León and Pinilla examine the relationships between the photographic language and that of graphics via prints and photographs, Barbuzza re-contextualizes and reshapes the narratives that the legacy of colonization has left in countries of the Global South, even after independence and detachment from its colonizers.

León and Pinilla’s records of the visual presence of places, characters, and events that populate Latin American countries including Argentina, Chile, and Colombia orchestrate a visual dynamic dialogue. On one hand, because of their indexical nature, the images suggest direct references to the particular social and cultural landscape in Latin America and make visible the moment and circumstances of the photographic encounter. On the other hand, the graphic works brings us closer to the sound and the acoustic sensations that surround our daily lives. The graphic sign materializes the voices, words, and symbol from those that are not, from those that have been, from what was, and that sometimes mixes with what we can hear and what we can see. And finally, the fusion of the two artistic expressions merge into the informative function that represents man confronting the plain infertile, determined to deny some values, adverse to his way of life.

Barbuzza is very interested in the history of European colonization and conquest that has continued in the world through atlases, geography, movies, and history books. In the works presented for this exhibition, she has used discarded World Book Encyclopedias and some dictionaries that she has collected or people have gifted her. Using those discarded books she reconstructs information that is wrong and with a prevalent self-ascribed racial and cultural superiority of the Western world over the non-Western world. In some of the pieces she uses the entire books: book covers, fabric, pages and the fabulous gold leaf edges. Cuellos/ Ruffs are made from the pages that she has manipulated using water and glue. As Barbuzza worked on those pieces, she spent long hours looking at paintings of the period, specifically Reina Isabel and Rey Ferdinando’s portraits to inform her works.

 

 

 

 

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