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2017年4月19日 (水)

茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術 THE COSMOS IN A TEA BOWL TRANSMITTING A SECRET ART ACROSS GENERATIONS OF THE RAKU FAMILY

 今から450年前に初代長次郎が創造した樂茶碗は、一子相伝の形態で、今日の十五代樂吉左衞門まで受け継がれてきた。千利休が使った茶碗を含め、初代長次郎から十五代までの名品を展示する企画展「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」が、東京国立近代美術館(東京・竹橋)において、5月21日まで開催されている。狭小な茶室で繰り広げられる、茶を点てる亭主とお点前をいただく客のそれぞれの思いを、茶碗の中に広がる宇宙から感じみてはどうだろうか。

 長次郎の茶碗制作に先立つ作品«二彩獅子»が展示の最初を飾る。千利休が関わる長次郎茶碗を七碗集めた「利休七種」の筆頭となる茶碗«大黒»。利休のそばに常に置かれていたという«禿»、利休から依頼を受け制作した素朴な作振りの«太郎坊»、底部に利休の花押が残る«シコロヒキ»などの長次郎茶碗が続く。

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初代 長次郎 二彩獅子 重要文化財 天正2年(1574) 樂美術館蔵

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初代 長次郎 黒樂茶碗 銘 大黒 重要文化財 桃山時代(十六世紀) 個人蔵

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初代 長次郎 黒樂茶碗 銘 禿 桃山時代(十六世紀) 表千家不審菴蔵

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初代 長次郎 赤樂茶碗 銘 太郎坊 需要文化財 桃山時代(十六世紀) 裏千家今日庵蔵

 木阿弥光悦と親交が深かった三代道入の«青山»は、釉薬の流れの偶然性が関与する独特な意匠を表現している。書家、漆芸家として多才な木阿弥光悦は陶芸にも携わった。光悦茶碗は、二代常慶、道入親子によって樂家の窯で焼かれている。«乙御前»は光悦の赤樂茶碗の代表作。

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三代 道入 黒樂茶碗 銘 青山 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 樂美術館蔵

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本阿弥光悦 赤樂茶碗 銘 乙御前 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 個人蔵

 第2次世界大戦に従軍し、戦後復員した十四代覚入は、樂家を建て直し、楽焼の普及や保持のため、「財団法人樂美術館」を開館する。覚入の赤樂茶碗«杉木立»はモダンな意匠を持ち、現代絵画的な作品となっている。

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十四代 覚入 赤樂茶碗 銘 杉木立 昭和47年(1972) 個人蔵

 本展の展示は、初代長次郎から次代を受け継ぐ形で作品が紹介されている。最後は現在の十五代吉左衞門の作品群で締めくくられる。次期十六代篤人の作品も楽しめる。

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十五代 吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 銘 涔雲は風を涵して谷間を巡る 悠々雲は濃藍の洸気を集めて浮上し 平成15年(2003) 樂美術館蔵

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十五代 吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 銘 暘谷 平成元年(1989) 個人蔵

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茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術 
THE COSMOS IN A TEA BOWL TRANSMITTING A SECRET
ART ACROSS GENERATIONS OF THE RAKU FAMILY

東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
東京都千代田区北の丸公園3-1

2017年3月14日(火)-5月21日(日)
10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
※入館は閉館30分前まで

休館日 月曜(5/1は開館)

観覧料 一般1,400円/大学生1,000円/高校生500円
※20名以上の団体料金あり
※中学生以下、障害者手帳の所持者とその付添者1名は無料
(入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等を提示)

展覧会公式ホームページ http://raku2016-17.jp/

主催 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館
    NHK、NHKプロモーション、日本経済新聞社
協賛 日本写真印刷
特別協力 樂美術館、国際交流基金
協力 あいおいニッセイ同和損保

※東京国立博物館(東京・上野)で開催中の特別展「茶の湯」とのコラボ企画として、4月11日~5月21日の開館中に限り、東京国立近代美術館と東京国立博物館の間で、無料シャトルバスが運行されている。乗車には、展覧会チケットの提示が必要。詳細は、展覧会公式ホームページで。

展覧会カタログ
Raku_ten_tokyo_catalogue_2017
執筆:松原龍一、樂篤人、樂吉左衞門、樂美術館、小倉実子
発行:NHKプロモーション
2016年 255頁 2,300円 
ミュージアムショップにて販売中

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