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2017年4月

2017年4月24日 (月)

ベラスケスの未発表の作品がオークションに

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 ベラスケス(セビリャ1599-マドリッド1660)が描いたと思われる少女の肖像画が、オークションに25日(スペイン時間)にかけられる。コレクターの垂涎の的になりそうだ。

 青年期のベラスケスがカンバスに描いたこの作品(57.50x44.00cm)は、1世紀の間、ある家族が所有されていたため、その存在が知られることがなかった。中世絵画研究家のRichard Willerminによって、ベラスケスの真筆であることが判明した。

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2017年4月19日 (水)

茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術 THE COSMOS IN A TEA BOWL TRANSMITTING A SECRET ART ACROSS GENERATIONS OF THE RAKU FAMILY

 今から450年前に初代長次郎が創造した樂茶碗は、一子相伝の形態で、今日の十五代樂吉左衞門まで受け継がれてきた。千利休が使った茶碗を含め、初代長次郎から十五代までの名品を展示する企画展「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」が、東京国立近代美術館(東京・竹橋)において、5月21日まで開催されている。狭小な茶室で繰り広げられる、茶を点てる亭主とお点前をいただく客のそれぞれの思いを、茶碗の中に広がる宇宙から感じみてはどうだろうか。

 長次郎の茶碗制作に先立つ作品«二彩獅子»が展示の最初を飾る。千利休が関わる長次郎茶碗を七碗集めた「利休七種」の筆頭となる茶碗«大黒»。利休のそばに常に置かれていたという«禿»、利休から依頼を受け制作した素朴な作振りの«太郎坊»、底部に利休の花押が残る«シコロヒキ»などの長次郎茶碗が続く。

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初代 長次郎 二彩獅子 重要文化財 天正2年(1574) 樂美術館蔵

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初代 長次郎 黒樂茶碗 銘 大黒 重要文化財 桃山時代(十六世紀) 個人蔵

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初代 長次郎 黒樂茶碗 銘 禿 桃山時代(十六世紀) 表千家不審菴蔵

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初代 長次郎 赤樂茶碗 銘 太郎坊 需要文化財 桃山時代(十六世紀) 裏千家今日庵蔵

 木阿弥光悦と親交が深かった三代道入の«青山»は、釉薬の流れの偶然性が関与する独特な意匠を表現している。書家、漆芸家として多才な木阿弥光悦は陶芸にも携わった。光悦茶碗は、二代常慶、道入親子によって樂家の窯で焼かれている。«乙御前»は光悦の赤樂茶碗の代表作。

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三代 道入 黒樂茶碗 銘 青山 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 樂美術館蔵

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本阿弥光悦 赤樂茶碗 銘 乙御前 重要文化財 江戸時代(十七世紀) 個人蔵

 第2次世界大戦に従軍し、戦後復員した十四代覚入は、樂家を建て直し、楽焼の普及や保持のため、「財団法人樂美術館」を開館する。覚入の赤樂茶碗«杉木立»はモダンな意匠を持ち、現代絵画的な作品となっている。

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十四代 覚入 赤樂茶碗 銘 杉木立 昭和47年(1972) 個人蔵

 本展の展示は、初代長次郎から次代を受け継ぐ形で作品が紹介されている。最後は現在の十五代吉左衞門の作品群で締めくくられる。次期十六代篤人の作品も楽しめる。

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十五代 吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 銘 涔雲は風を涵して谷間を巡る 悠々雲は濃藍の洸気を集めて浮上し 平成15年(2003) 樂美術館蔵

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十五代 吉左衞門 焼貫黒樂茶碗 銘 暘谷 平成元年(1989) 個人蔵

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茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術 
THE COSMOS IN A TEA BOWL TRANSMITTING A SECRET
ART ACROSS GENERATIONS OF THE RAKU FAMILY

東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
東京都千代田区北の丸公園3-1

2017年3月14日(火)-5月21日(日)
10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
※入館は閉館30分前まで

休館日 月曜(5/1は開館)

観覧料 一般1,400円/大学生1,000円/高校生500円
※20名以上の団体料金あり
※中学生以下、障害者手帳の所持者とその付添者1名は無料
(入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等を提示)

展覧会公式ホームページ http://raku2016-17.jp/

主催 東京国立近代美術館、京都国立近代美術館
    NHK、NHKプロモーション、日本経済新聞社
協賛 日本写真印刷
特別協力 樂美術館、国際交流基金
協力 あいおいニッセイ同和損保

※東京国立博物館(東京・上野)で開催中の特別展「茶の湯」とのコラボ企画として、4月11日~5月21日の開館中に限り、東京国立近代美術館と東京国立博物館の間で、無料シャトルバスが運行されている。乗車には、展覧会チケットの提示が必要。詳細は、展覧会公式ホームページで。

展覧会カタログ
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執筆:松原龍一、樂篤人、樂吉左衞門、樂美術館、小倉実子
発行:NHKプロモーション
2016年 255頁 2,300円 
ミュージアムショップにて販売中

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2017年4月 7日 (金)

夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編 Dawn of Japanese Photography: The Anthology

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田本研造《箱館市中取締 裁判局頭取 土方歳三》(部分)
ゼラチン・シルバー・プリント(後年のプリント) 
明治2年 函館市中央図書館
(展示期間:4月25日- 5月7日、他期間はレプリカ展示)


 東京都写真美術館が2007年から4回にわたって開催してきた「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史」展シリーズを締めくくる展覧会が、展示替えを行いながら、5月7日まで同館で開催されている。「であい」「まなび」「ひろがり」の三部に分けた展示構成で、日本の写真開拓史を追うことができる。

 長崎の御用時計師で商人である上野俊之丞が、ダゲレオタイプの写真器材一式の輸入を試み失敗した1843年(天保14)から、11年後の1854年(安政元)にペリー率いる米国海軍東インド艦隊に同行したエリファレット・ブラウン・ジュニアは、日本の地で日本人のダゲレオタイプ撮影を行っている。「であい」では、エリファレット・ブラウン・ジュニアやナダールなどの写真作品のほかに、ブラウンの写真が石版画に描き起こされた挿絵が掲載されている『ペリー日本遠征記』の展示もある。

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エリファレット・ブラウン・ジュニア
《田中光儀像》安政元年 ダゲレオタイプ 個人蔵

 「まなび」は、1859年(安政6)に開港された横浜、神戸、箱館などの外国人居留地に訪れた多くの外国人写真師から学んだ日本人写真師たちの作品を紹介する。日本の写真研究は藩が中心になって行われた。藩主島津斉彬の肖像写真で広く知られている島津藩。遣米、遣欧の洋行で写真研究を行った川崎道民は佐賀藩士である。関政民は南部藩の洋楽研究の一環で写真の研究を行っている。外国人写真師から学び、営業写真館を開設した日本人写真師には、横浜の下岡蓮杖、長崎の上野彦馬がいる。ほかに、横山松三郎、鈴木真一、内田九一、木津幸吉、田本研造たちの肖像写真、名所写真などが並ぶ。

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上野彦馬 題不詳(上野八重子像)明治35年頃 ゼラチン・シルバー・プリント
長崎歴史文化博物館(展示期間:3月7日- 4月9日)

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鈴木真一《(子供の武将)》明治時代中期 鶏卵紙に手彩色 後藤新平記念館


 写真が外国人写真師から日本の第一世代に伝わり、そして次世代へと引き継がれ、各地に「ひろがり」をみせるとともに、「日本の写真」が個人的なものから社会的なものへと拡がる。

 2007年から開始した本シリーズ展の開催間に東日本大震災が発生した。会場展示の最後には、自然の猛威を雄弁に語りかける19世紀の天災記録写真も展示されている。

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制作者不明 《飛鳥神社矢大臣門崩壊之真景》 明治27年 鶏卵紙 本間美術館

 本シリーズ展が開催される前に、日本全国の公開機関を持つ施設7,987カ所が所蔵する初期写真作品や資料についてのアンケート調査が行われ、散逸していた日本の初期写真の体系化が進んだ。

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(山内家写場)《(松平忠礼の妻、豊子)》明治初期(1868-82)頃 
アンブロタイプ 東京都写真美術館蔵

 

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フェリーチェ・ベアト《愛宕山から見た江戸のパノラマ》 文久3-元治元(1863-64)年頃 鶏卵紙5枚構成 東京都写真美術館蔵
※2階ロビーに設けられた撮影コーナーで、フェリーチェ・ベアト《愛宕山から見た江戸のパノラマ》を拡大したパノラマ作品を撮影できる。

 

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総合開館20周年記念
夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 総集編
Dawn of Japanese Photography: The Anthology

2017年3月7日(火)-5月7日(日)

東京都写真美術館
TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM

〒153-0062 東京都目黒区三田1-13-3
恵比寿ガーデンプレイス内
TEL 03-3280-0099
ホームページ http://topmuseum.jp/

休館日 毎週月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日休館)
      ただし5月1日(月)は開館
料金 一般 700)円/学生 600円/中高生・65歳以上 500円
※20名以上団体割引あり
※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳を所持者とその介護者は無料
※第3水曜日は65歳以上無料

主催 東京都 東京都写真美術館/読売新聞社/美術館連絡協議会
協賛 ライオン/大日本印刷/損保ジャパン日本興亜/日本テレビ放送網
協力 日本大学藝術学部/一般財団法人日本カメラ財団

※会期中、一部作品およびアルバムページの展示替あり
第一期 3月7日(火)~3月20日(月・祝)
第二期 3月22日(水)~4月9日(日)
第三期 4月11日(火)~4月23日(日)
第四期 4月25日(火)~5月7日(日)

展覧会図録『知られざる日本写真開拓史』
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写真の歴史を知る上で欠かすことのできない貴重な史料を数多く収録。
英語版リーフレット付
高橋則英、ルーク・ガートラン、谷昭佳、福原義春、三井圭司による執筆
東京都写真美術館編集/山川出版社発行
菊版 295頁 2,160円(税込)
ミュージアームショップで販売中

同時開催展
山崎博 計画と偶然
2017年3月7日-5月10日
東京都写真美術館 2階展示室

写真・映像を「時間と光」というエッセンスによって捉え、1980年代末より活躍してきた山崎博(1946-)の仕事をたどる。美術館では初の展覧会。

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